歴史ファンの皆様、そして全世界のアイドルオタクの皆様、こんにちは。 「日本と欧州諸国の歴史」ブログ、管理人の歴史オタクです。推しはChikitaの恵福かほちゃんです。
今回の紀元前419年から紀元前400年。 一言で言うと、「推しのグループ(アテネ)が解散(敗北)した日」です。
あのパルテノン神殿を建て、我が世の春を謳歌したアテネが、ついにスパルタに膝を屈します。 その裏には、**「アルキビアデス」**という、才能はあるけど素行が悪すぎる「問題児メンバー」の存在がありました。
そして、絶望したアテネの街角で、一人の初老の男が若者に絡み始めます。 「ねえ、君にとって『正義』って何?」 ……そう、あのソクラテスです。 国が滅ぶ時、人は哲学する。そんな重厚な20年間を見ていきましょう。
【日本】 第5代・孝昭天皇の治世 ~「変わらない」という最強のスキル~
まずは我が国、日本です。 この期間も、第5代・孝昭(こうしょう)天皇が治めています。
即位から半世紀以上。 世界史がどんなに荒れ狂っても、日本の年表には「特になし」(平和)が続きます。
安定こそがブランド
アイドルグループでも、メンバーの脱退やスキャンダルがないグループほど、実は運営が難しいものです。 孝昭天皇の時代は、まさに「究極のマンネリ(良い意味で)」。 父から受け継いだ田んぼを守り、神祭りを欠かさない。 この「変わらない日常」こそが、後の日本という国の「芯」の強さを作っていったのでしょう。
【世界・ギリシャ】 アテネの自滅と「問題児」アルキビアデス(BC415〜404)
一方、ギリシャではペロポネソス戦争が泥沼化していました。 ここでアテネにトドメを刺したのが、シケリア(シチリア)遠征の大失敗です。
① 問題児アルキビアデスとシケリア遠征(BC415)
ペリクレスの死後、アテネにはアルキビアデスという若手政治家が現れました。 彼は超イケメンで弁舌も天才的でしたが、性格が最悪でした。
アルキビアデス「イタリアのシチリア島を征服すれば、スパルタなんてイチコロだよ! 行こうぜ!」
民衆を煽って大艦隊を出発させましたが、彼は直後にスキャンダル(神像破壊疑惑)で告発され、なんと敵のスパルタに亡命してしまいます。 「アテネの弱点はここだよ」と敵にバラす裏切りっぷり。 結果、アテネ軍はシチリアで全滅。数万人の市民と艦隊を失いました。
② アテネ無条件降伏(BC404)
その後、アテネは粘りましたが、紀元前404年、ついにスパルタに包囲され降伏しました。
- 城壁の破壊: アテネの自慢だった「長城」が、笛の音に合わせて取り壊されました。
- 三十人政権: スパルタの傀儡(かいらい)による恐怖政治が始まり、多くの市民が処刑されました。
「民主主義」の輝きは消え、アテネはただの一敗戦国に転落。 栄枯盛衰。あまりにも儚い結末です。
【英国・欧州】 ケルト人の「大移動」前夜
ギリシャがボロボロになっている頃、ヨーロッパの内陸部ではケルト人(ガリア人)が力をつけていました。
鉄の武器と勇敢な魂を持つ彼らは、人口増加に伴い、フランスやスイス周辺から南へと移動を開始していました。 彼らはやがてアルプス山脈を越え、イタリア半島(ローマ)を脅かすことになります(ローマ略奪はBC390年頃)。 イギリス(ブリテン島)でも、ケルト文化(ラ・テーヌ文化)が定着し、美しい渦巻き模様の装飾品が作られていました。 南の文明国が衰退する隙を狙って、北の野性味がアップを始めている……そんな不気味な静けさの時代です。
【文化コラム】 ソクラテスの「問答法」 ~ウザいけど大事なこと~
敗戦後のアテネ。 自信を喪失した人々の間で、みすぼらしい格好をしたおじさんが、若者を捕まえては議論を吹っかけていました。 ソクラテス(当時60代後半)です。
「無知の知」と「産婆術」
当時のアテネには「ソフィスト」と呼ばれる、「議論に勝つテクニック」を教える先生たちがいました。 ソクラテスは彼らに挑みます。
ソクラテス「君は『正義』について教えているそうだが、そもそも『正義』って何?」 ソフィスト「それは…強者の利益さ」 ソクラテス「じゃあ、強者が間違ったらどうなるの?」 ソフィスト「ぐぬぬ…」
彼は相手を論破したいのではなく、「自分たちが実は何もわかっていないこと(無知の知)」を自覚させ、本当の真理を一緒に生み出そうとしたのです。 これを、母親の職業(助産師)になぞらえて「産婆術(さんばじゅつ)」と言います。
「敗北したアテネに何が足りなかったのか?」 それは軍事力ではなく、「魂への配慮(プシュケー)」だと彼は説きました。 しかし、痛いところを突かれた市民たちは、彼を「若者を堕落させる危険人物」としてマークし始めます……。
まとめ
- 日本(BC419-400):
- 第5代・孝昭天皇の治世。変わらぬ平和を維持し、次代へのバトンを準備中。
- 世界(BC419-400):
- ギリシャ(BC415): シケリア遠征。アテネの大失敗。
- ギリシャ(BC404): ペロポネソス戦争終結。アテネ降伏、スパルタが覇権を握る。
- 文化: ソクラテスがアテネの街頭で「問答」を繰り返す。
- 中東(BC401): クセノポンの『アナバシス』(ペルシア内乱からの決死の脱出劇)。
栄光のアテネが崩れ落ち、その瓦礫の中から「西洋哲学」という芽が顔を出した時代。 日本が変わらず「和」を保っていたのと対照的に、西洋は「痛み」の中から「知」を生み出そうとしていました。
次回は紀元前399年〜紀元前380年。 ついにその時が来ます。 「悪法もまた法なり」。ソクラテスの処刑(BC399)。 そして日本では、第6代・孝安天皇が即位します。
歴史のドラマは、まだまだ終わりません。 それでは、また次の歴史でお会いしましょう!


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