【紀元前439年〜420年】アテネ没落…! 戦争とパンデミックが襲う地獄絵図、日本は孝昭天皇の「変わらぬ朝」

日本と欧州の歴史まとめ

歴史ファンの皆様、そして全世界のアイドルオタクの皆様、こんにちは。 「日本と欧州諸国の歴史」ブログ、管理人の歴史オタクです。推しはチキータの恵福かほちゃんです。

前回の記事では、パルテノン神殿が輝く「アテネの絶頂期」をお届けしました。 しかし……歴史とは残酷なものです。 今回の紀元前439年から紀元前420年。 その輝きは、一瞬にして泥にまみれます。

ギリシャ全土を巻き込む大戦争「ペロポネソス戦争」の勃発。 そして、アテネを襲った「死の疫病」。 栄光から絶望へ。ジェットコースターのような転落劇です。

一方、日本は第5代・孝昭天皇の治世が続いています。 世界が病と戦火に苦しむ中、日本だけが「別世界」のように穏やか。 このコントラストを噛み締めてください。


【日本】 第5代・孝昭天皇の治世 ~ニュースがない、という幸福~

この20年間も、日本を治めているのは第5代・孝昭(こうしょう)天皇です。

紀元前475年の即位から、なんと60年以上(!)在位されたと伝わります。 前回もお伝えした通り、具体的な武勇伝や事件の記録はありません。

「普通の日々」の尊さ

しかし、世界史の惨状(後述)を見た後だと、この「記録なし」がどれほど尊いか分かります。

  • 疫病で国民の3分の1が死ぬこともない。
  • 隣国と殺し合いをすることもない。

ただ、季節に合わせて種を撒き、収穫を感謝する。 孝昭天皇の時代は、そんな「当たり前の幸せ」が、親から子へ、子から孫へと受け継がれた時代でした。 もしかすると、日本こそが当時の世界における「地上の楽園(アルカディア)」だったのかもしれません。


【世界・ギリシャ】 夢の終わり… ペロポネソス戦争とパンデミック(BC431〜)

さて、地獄の蓋が開いたギリシャです。 アテネが「デロス同盟」のお金を使い込み、我が物顔で振る舞った結果、ついにライバルのスパルタがブチ切れました。

① ペロポネソス戦争勃発(BC431)

「アテネの好き勝手にはさせない!」 スパルタを中心とする「ペロポネソス同盟」が、アテネに宣戦布告。 ギリシャ世界を二分する、泥沼の「内輪揉め(大戦)」が始まりました。

  • アテネ(海軍最強): 「城壁に籠もって、海から補給すれば負けないもんね!」
  • スパルタ(陸軍最強): 「出てこい卑怯者! 畑を焼き払ってやる!」

アテネの指導者ペリクレスは、市民を城壁の中に避難させ、持久戦に持ち込みました。 作戦は完璧に見えました。しかし、計算外の敵が現れます。

② アテネを襲った疫病(BC430-429)

城壁の中に人口が密集しすぎたせいで、謎の疫病(ペストや天然痘説あり)が大流行してしまったのです。

高熱、喉の渇き、皮膚のただれ……。 アテネ市民の3分の1が命を落としました。 そして紀元前429年、あのアテネの黄金時代を築いた英雄・ペリクレスまでもが、疫病で亡くなってしまいます。

「太陽が沈んだ」

絶対的センターの死により、アテネは迷走を開始。 扇動政治家(デマゴーグ)が現れ、衆愚政治(みんなで間違った決定をする政治)へと堕ちていくのです。 推しのグループが崩壊していく様を見せつけられる、ファンにとって一番辛い時期です……。


【世界・ローマ】 平民の逆襲! カヌレイウス法(BC445/444頃)

ギリシャが沈んでいく頃、ローマでは少し前向きな変化がありました。 それまで、「貴族(パトリキ)」と「平民(プレブス)」は結婚することが法律で禁止されていました。

平民「同じローマ人なのに、なんで結婚しちゃダメなんだ!」

この差別に怒った平民たちの運動により、カヌレイウス法が成立。 貴族と平民の通婚(結婚)が認められました。 これにより、ローマは身分の壁を少しずつ壊し、より強固な「国民の団結」を作り上げていきます。 内輪揉めで自滅したギリシャとは対照的です。


【文化コラム】 悲劇『オイディプス王』と、歴史家トゥキュディデス

この絶望的なアテネで、二つの偉大な作品が生まれました。

① ソフォクレスの『オイディプス王』(BC429頃上演)

「父を殺し、母と結婚する」という残酷な運命に翻弄される王を描いた、悲劇の最高傑作。 この作品が上演されたのは、ちょうど疫病が流行り、ペリクレスが死んだ頃だと言われています。

劇中でオイディプス王は「私がこの国の汚(けが)れを払う!」と宣言しますが、実は自分こそが汚染源だった……という皮肉。 当時のアテネ市民は、自信満々だった自分たちが疫病と戦争で没落していく姿を、この劇に重ねて涙したのかもしれません。

② トゥキュディデスの『戦史』

前回のヘロドトスが「物語的な歴史」なら、この時代のトゥキュディデス「科学的な歴史」の父です。

彼はペリクレスの死や戦争の経過を、感情を排して冷徹に記録しました。 特に「アテネの疫病」の描写は、現代の医師が読んでも症状が分かるほど詳細です。 「人間性は変わらないから、歴史は繰り返す」 彼の言葉は、現代の私たちにも重く響きます。


まとめ

  • 日本(BC439-420):
    • 第5代・孝昭天皇の治世。争乱の記録なし。世界が羨む平和な日常。
  • 世界(BC439-420):
    • ギリシャ(BC431): ペロポネソス戦争勃発。アテネvsスパルタの全面戦争。
    • アテネ(BC429): 疫病(パンデミック)によりペリクレス死去。アテネ没落の始まり。
    • 文化: ソフォクレス『オイディプス王』上演。トゥキュディデスが歴史を記録し始める。

「黄金時代」は永遠には続きません。 疫病と戦争という、抗えない力によって崩れ去る脆さ。 だからこそ、何事もなく続いていく日本の「皇統」の凄さが際立ちます。

次回は紀元前419年〜紀元前400年。 アテネの最終的な敗北、そして「知の哲人」ソクラテスが若者たちに問いかけを始めます。 哲学が生まれるのは、いつだって社会が苦しい時なのです。

それでは、また次の歴史でお会いしましょう!

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